消費者金融
貸金業者は、貸金業の規制等に関する法律に基づいて、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置する場合は内閣総理大臣(財務局)の、一の都道府県の区域内の場合は都道府県知事の登録を受けなければならない。無登録で営業している闇金融は貸付けそのものが違法行為として処罰の対象となる。しかし、近年は財務局に比べ、登録審査基準の甘さをつくように都道府県登録の申請、特に東京都に登録して正規事業所としての実態がない業者を「十日で一割」ならぬ、「東京都知事(1)第XXXXX号」(=貸金業登録番号)から"トイチ"業者といわれている。このような業者は、主としてスポーツ紙や夕刊紙で広告することが多い。
呼称について
消費者金融は「サラ金」と呼ばれる事も多いが、社団法人神奈川県貸金業協会(吉野英樹会長)は、2005年10月4日に『サラ金』と呼ばない事を求める会長声明を出している。尚、日本の法令用語にサラ金や消費者金融などの語は存在しない。
歴史と問題点
高い金利を特徴とする事から、「高利貸し」とも呼ばれる。このため、英語圏国家では俗に「loan shark」(借金の鮫)と呼ばれる。
1970年代頃は、サラリーマンを対象にした業者が多いとして「サラ金」(さらきん、「サラリーマン金融」の略語)、あるいは市街地(街中)に営業所があることから「街金」(まちきん)と呼ばれていたが、女性(OLや主婦)や自営業者などの契約も多いとして、1980年代頃からは「消費者金融」の名称がよく使用されるようになった。その背景には、過剰な融資や高金利、過酷な取り立てにより、「サラ金地獄」という言葉がたびたび使われるようになって、「サラ金」のイメージが著しく悪くなったことから、業界が新たな名称として「消費者金融」の使用を押し進めたこともある。なお、「サラ金」の呼称以前に1960年代頃は「団地金融」や「勤人信用貸」という呼び方もあった。
消費者金融が特に成長してきたのは1990年代初頭の、いわゆるバブル経済崩壊以降である。バブル崩壊によって経済的に苦しい消費者家庭が増加したことに加え、それまで深夜帯に限られていたテレビコマーシャルがゴールデンタイムなど、それ以外の時間帯でも解禁(1995年)され、更に自動契約機の導入(1993年以降)などの追い風を受けて、消費者金融は業界をあげて、それまでの暗い「サラ金」「街金」のイメージの払拭に努めた。その結果、駅前の雑居ビルの狭い店鋪で担当者と向き合って融資を申し込むといった形のみならず、郊外の国道沿いに設置された自動契約機へ契約申込をする利用者も増加した。この勢いで、大手業者には株式を公開(上場)する社も現れた。
そのような中で2000年前後からは全情連(全国信用情報センター連合会)やCCBなどの個人信用情報機関によるブラック(「ネガティブ」又は「ネガ」とも)情報の共有化がなされ、与信を厳格化した。これによって大手6社などでは契約者の属性が向上し経営自体が健全化していったが、こうした与信システムの下では「まともな所」から借り入れできる人の数は頭打ちとなり、スケールメリットのある大手業者と、こじんまりとしても経営可能な小規模業者の間に挟まれた中堅クラスの業者の中には、急激に業績が悪化し、大手業者による買収、または債権譲渡するものも現れた。
なお、この頃「ヤミ金」被害が急増しており、消費者金融業界は、その原因を、上記のような信用情報機関による与信の厳格化と中堅業者の淘汰に求める見解を示している。しかし、この時期のヤミ金被害急増の原因は、不況の長期化による所得の減少、デフレによる金融債務の実質負担の増加、不況による暴力団員のサイドビジネスへの進出、携帯電話の普及などに求める見解の方が一般的である。
近年、大手の消費者金融会社は、銀行と提携しローン保証業務に乗り出したり、また、メガバンク(持株会社を含む)の資本参加を受けるなどの動きもある一方、前近代的なオーナー経営の業者も多く、取立てにかかわる数々の問題、高金利、多重債務、「武富士」創業者の元会長が関与したとされる電話盗聴事件などの社会問題が依然として解決されていないと言える。
2006年4月14日には、大手の一つである「アイフル」に対し、融資や取り立てを巡る違法行為が繰り返されていたとして、全店に対し5月8日から3〜25日間の新たな顧客の勧誘、融資などに関する業務停止命令が金融庁より出された。
金利について
本記事の冒頭で述べた金利(29.2%及び29.28%)について説明する。これは、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の上限金利であり、これを超えた貸付けを行うと刑事罰の対象となる、というものである(詳細は「闇金融」の項目を参照のこと)。
消費者金融の金利は出資法の上限金利を超えることはないのだが、一般に利息制限法の基準(10万円未満20% 100万円未満18% それ以上は15%)を超えている。本来は利息制限法を越える部分の金利は払う必要はなく(利息制限法の上限利率を超過する利息契約は無効)、もし支払ったのであればそれは元金充当され、過払いが生じていれば返還してもらえるのだが、法定の契約書類・受取証書が整備され、契約者が納得の上で自主的に払っている場合は金利の支払として有効となり、消費者は返還を求めることができない。これをみなし弁済(貸金業法43条)という。しかし実際には、それが認められる条件は満たされていないことがほとんどであり、弁護士・認定司法書士等が任意整理などをする際には、これをきちんと利息制限法の金利で計算し直し、過払いがあれば返させる(利息の引き直しという)。仮に約定利息29.2%で、約定利息分のみを返済し続けた場合、新たな貸付が無いなら6年未満で債務は0となる。実際には、約定利息分を超える返済と新たな貸付が混在していることが通常であり、正確な取引履歴(弁護士・認定司法書士等が代理人となって貸金業者に開示を求めることが多い)に基づいた正確な引き直し計算が必要である。
このようなややこしい法律問題が生じていることについて、貸金業者側からは「みなし弁済の要件が厳しすぎる」との意見があるが、他方、識者からは「みなし弁済は、利息制限法に違反する無効な弁済を「例外的に有効な弁済とみなす」として特典を与えるものであるから、厳しい基準をクリアしなければならないのは当然」「刑事罰の不存在に乗じて、消費者金融が利息制限法を守らない貸付けをするのが悪い」という指摘も多い。29.2%という出資法上限金利(かつ、みなし弁済が認められれば収受可能な金利)は、英米を除く先進諸外国に比べて高すぎる、との指摘もある。
また、利息制限法の上限金利を超えるが、出資法の上限金利を超えない金利をグレーゾーン金利という。
クレジットカードや信販会社のローンカードによるキャッシングサービスも、上記と同じ状況であるが、このうち信販会社などのショッピングクレジット(個品割賦)の長期回数支払で利息制限法を超える手数料率(金利)であっても、貸金業法・利息制限法などの規制は一切受けない為(割賦販売法が適用される為)注意したい。
大手6社
大手消費者金融専業会社のうち、武富士・アコム・プロミス・アイフル・ほのぼのレイク・三洋信販 を指す。
当初、レイクを除く各社が1997年2月に 消費者金融5社連絡会 を結成。同年5月にレイクも加入し消費者金融連絡会と改称。連絡会のテレビコマーシャルに登場するタパルス(TAPALS)博士は加盟会社の頭文字を並べた(Takefuji・Acom・Promise・Aiful・Lake・Sanyo)ところから名付けられたものである。
「ほのぼのレイク」は後に、米・GEキャピタル傘下のGEコンシューマー・ファイナンスとなり、2003年4月に連絡会を脱退している。
銀行系消費者金融
銀行系消費者金融とは、設立当初、主に銀行と大手専業会社(一部信販会社などとも)の合弁で2000年から2002年頃迄に設立された消費者金融会社であり、主にサラリーマンや公務員など継続的に安定収入のある人物を対象とし、銀行本体のカードローンでは収入などの属性で借入が難しかったり、契約成立まで時間がかかるなどして使い勝手が悪いためながら、専業会社で借りるには(専業会社から見て)高属性の人物で有る事などから、銀行ローンと専業の中間クラスの先の様な人物層を対象としたものである。
資金面で出資者である銀行等のバックアップが有るなどして、利息制限法の基準の範囲内の貸出利率で営業しており、専業会社と違って有人店舗を持たず、郵送や電話・インターネットなどで申込出来、比較的短時間(1時間程度)で審査の可否が決定し、契約が成立次第ローンカードを郵送するなどして利用が可能になるものである。
この申込み時の審査に、出資者である消費者金融会社に蓄積されたデータとノウハウを活用することによって、迅速な審査の可否判断が可能になっているほか、万一、延滞事案などが生じた際の債権回収なども実質的に消費者金融会社側が請け負う様になっているのが殆どである。
課題点としては、貸付枠が無担保で最大300万円と大手専業会社よりも高額で有る事から、利用額や期間によっては利息だけでも相当な金額になりかねない事などである。利息制限法の基準の範囲内とはいえ18%の利率が一般的であり、厳格な債権回収を行う点は消費者金融専業会社と何ら変わりない。
また、消費者金融と言う言葉や金融会社に抵抗を覚える人も数多くいる事から、当初から「XX銀行グループ」と強調したり、「個人向けローン会社」などの表現を全面的に出すものが多い。
(しかしながら銀行でも無く、貸金業登録を行い、消費者金融専業会社等のバックアップの上で金銭を貸し付けている訳であるから、正直に表題の様な表現が適切ではないかと思われる。)
広告活動
テレビCM
消費者金融業者のテレビCMについては、日本弁護士連合会などのテレビCMの中止を求める意見書を受け、2005年ごろから、午後5時-9時までは放送しないとする方針を決定した。また、消費者金融の意図を伝えていないもの、警告表現のないものは規定不適合とされ、放送が不可能になる。これにより長らく放送されていた武富士ダンスのコマーシャルが姿を消した。この規定によって差別化が困難になり、制服を着た女性社員(またはタレント)や、「事前に無理なく計画を立てましょう。立てないとこうなりますよ」を比喩的に表現した似たようなCMが中心となっている。また、これを機に自動契約機のCMも姿を消した。なお、2006年4月からは午前7時-9時と午後5時-10時までは放送できなくなった。また、午後10時から深夜0時までの深夜についても、各社のCMをそれぞれ月間100本までに制限する事とした。
また、ディックのCMで東原亜希が歌っている「忘れな〜いで あなたよ〜りも 大切なものはない」という歌が流行した。また、抽選でCD化にもなった。(市場での販売は無し。)
ラジオCM
ラジオでは、大手の他に中堅会社のCMも多く出稿されている。
自動契約機のCM
自動契約機のCMは、同業のCM規制緩和に伴い登場した。大手6社では、「いらっしゃいましーん」(プロミス)、「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)、「¥(エン)むすび」(武富士)、「ひとりででき太」(レイク)など、ウィットに富んだネーミングが特徴である。これは前述したとおり、暗いイメージを払拭するための試みであり、これらのCMは話題を呼び、表向きのイメージ改善には成功している。特にアコムの「むじんくん」のCM(セイン・カミュらが出演)は宇宙人をモチーフにしたコントが一世を風靡し、CMソングも流行した。
時期を前後して、アイフルが「お自動さん」のイメージキャラクターである地蔵の夫婦でコントを行った「お自動サンバ」や、武富士のCMのタイアップとして長山洋子の「むすばれたいの」等のCMソングがCD化され発売された。
「ストップ! 借りすぎ」キャンペーン
武富士、アコム、プロミス、アイフル、三洋信販、CFJ、GEコンシューマー・ファイナンスの7社合同で、「ストップ! 借りすぎ」というキャンペーンを2006年6月9日から実施している。
「まだ借りても大丈夫」、「返済はどうにかなる」といった前向きな考えに気づき、多重債務に注意してください、といったキャンペーン内容で、テレビCMも放映されている。
また、以上7社のCMの最後にも、「ストップ! 借りすぎ」というナレーションに差し替えられている。
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